【NexTech Week】なぜ企業はAI系展示会で騙されるのか— 情弱ビジネスが量産される理由 —

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本記事を10秒でまとめると

NexTech WeekなどのAI系展示会では、多くの企業が「AIっぽいビジネス」を展示しています。しかしその多くは、技術的に見ると自作可能なSaaSやワークフロー自動化の延長線にあるものです。これは出展企業が悪いというより、AI系展示会という構造そのものが「ビジネス寄りのAI」を量産しやすい環境になっているためです。本記事では、日本の主要AI系展示会を整理した上で騙されない方法を共有します。

AI系展示会とは

現在国内で開催される展示会はAI・IT業界に限っても大小様々存在します。
その中でも主要なものを整理すると以下のような展示会が毎年開催されています。

個々の展示会について詳細が気になる方は以下をご覧ください。

DXPO
次回開催:2026年5月19日(月)〜22日(木) @ポートメッセなごや
次々回開催:2026年6月30日(火)〜7月3日(金) @アクセスサッポロ
→詳細は DXPO 公式サイト

Interop26 Tokyo
次回開催:2026年6月10日(水)〜12日(金) @幕張メッセ
→詳細は Interop 公式サイト

NexTech Week AI・人工知能EXPO NEO
次回開催:2026年8月5日(水)〜6日(木) @東京国際フォーラム
→詳細は NexTech Week 公式サイト

CEATEC
次回開催:2026年10月13日(火)〜16日(金) @幕張メッセ
→詳細は CEATEC 公式サイト

Japan IT Week
次回開催:2026年10月21日(水)〜23日(金) @幕張メッセ
→詳細は IT・DX・AI総合展 公式サイト

NexTech Week 2026 秋
次回開催:【秋展】2026年11月11日(水)〜13日(金) @幕張メッセ
→詳細は NexTech Week 公式サイト


今回筆者は2026年4月15日(水)〜17(金)にて東京ビッグサイトで開催されたNexTech Week 26に行ってきました。
このNexTech Weekは、AI・ロボット・量子・ブロックチェーンなど複数のテーマを束ねた大型展示会で、日本のAI系展示会の中でも最大規模のイベントです。

しかし、ほぼ全ての展示会に毎年参加している筆者が実際にNexTech Weekを歩いてみると、ある違和感を感じました。それは

「AIっぽい情弱ビジネス」が非常に蔓延している

ということです。

AI系展示会でよく見るビジネス

今回の展示会でも多かったのは、いわゆる「AIエージェント」を名乗るサービスです。昨年の秋頃から急激に増えていましたが、実情その多くは

  • RAGチャットボット
  • ワークフロー自動化
  • AIによる文章生成
  • AI議事録
  • AI営業支援

といったものです。

もちろん、これらのサービス自体に価値がないわけではありません。
企業にとっては便利なツールです。

しかし技術的な視点で見ると、これらの多くは

生成AIのAPIを組み合わせれば比較的容易に作れるもの

でもあります。

つまり、

技術として新しいというより「ビジネスとしてのAI」が多い

というのが実態です。

また、具体的にどのように研修転移するのか不明瞭な研修ビジネスも多数存在し、自称AIエージェントよりも根深い闇と言えるでしょう。

確かに生成AI系研修事業は参入障壁が極めて低く、技術的もしくは教育的、組織開発論、人材育成論といった本来研修を設計する上で必須の知見がなくてもマーケティングに力を入れさえすればなんとなく売れてしまうまさに生成AI系情弱ビジネスの筆頭でもあります。

なぜ「AIっぽい情弱ビジネス」が量産されるのか

ここで重要なのは、これは出展企業だけが悪いという問題ではないということです。
理由はシンプルで、AI系展示会の来場者の多くは

  • DX担当
  • 情報システム部門
  • 新規事業担当
  • 経営企画

など、ビジネスサイドの人たちです。

つまり展示会は「最先端のAI技術」よりも「すぐ導入できるAIサービス」の方が求められます。

結果として

  • SaaS
  • ワークフロー
  • 業務ツール

といったビジネス寄りのAIが増えていくわけです。これは展示会としては自然な構造です。

もう一つ切り込んでみたいのは、AIエージェントを名乗るサービスの多さです。
上でも触れましたが、もちろんそれ自体は価値のある技術ですが、いわゆる

  • AutoGPT
  • OpenAI Operator
  • OpenClaw

のような本格的なエージェントアーキテクチャとはかなり違います。

つまり現在のAI市場では「AIエージェント」という言葉がマーケティング用語として使われている側面が強いと言えます。

技術の話ができるブースは意外と少ない

今回の展示会で個人的に面白かったのは、Qwenのブースでした。理由はシンプルで、

エンジニアが来ていた

からです。技術の話ができるブースでは

  • モデルの構造
  • トレーニング
  • 今後のロードマップ

といった、普段なかなか聞けない話が出てきます。

展示会という場ではビジネス説明が中心になることが多いのですが、こういうブースに出会えるとかなり学びがあります。(Qwenについては別記事で詳しく解説します)

AI系展示会で企業が騙される理由

ここまで見てきた通り、AI系展示会ではAIっぽい情弱ビジネスが大量に存在します。ここで問題になるのは、企業側がそれを「最先端AI」だと思ってしまうことです。しかし実際には

  • APIの組み合わせ
  • ワークフロー自動化
  • RAG

というケースも多いです。これは悪いことではありません。ただし、

過度に高額なSaaSを契約してしまう

と話は変わります。場合によっては社内で作れるレベルのものも多数存在するからです。

生成AI時代に必要なのはリテラシー

生成AI時代に重要なのはツールを知ることではなく、構造を理解することです。

  • 何がモデルなのか
  • 何がワークフローなのか
  • 何がSaaSなのか

これを理解するだけで、AIサービスの見方は大きく変わります。

AI系展示会は非常に面白いイベントですが、同時にAIビジネスの構造を観察する場所でもあります。

これからAIツールを導入する企業は、「AIっぽい情弱サービス」をそのまま信じるのではなく、本当に必要な技術なのかを一度立ち止まって考えることが重要です。

逆に言えば、自称AIエージェントやSaaSは自社で欲しいものを自作するアイディアを紹介してくれるブースとも言えます。確かにこういうものが存在すれば便利だ!だから自社のDX / IT部門に依頼して作ってもらう!と発想を転換するとこれほど効率よいことはありません。

また、生成AI系研修サービス企業のブースでは、是非そのブースにいるスタッフに

  • 最新のトレンド
  • 近くのブースで出展しているコンテンツ
  • AIエージェント / ローカルAI とは何か
  • 自身でどのように生成AIを使っているか

を聞いてみてください。貴方が腹落ちをするような回答が得られないということはその研修はその程度ということです。自社スタッフの教育がままならない企業が他社を成長させれるわけはありません。

是非最新情報をAIインサイトで収集しながら、今まで / これから投下するSaaSコストを削減してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

AI経営コンサルタント
株式会社NEDLAB 代表取締役

学校法人河合塾や株式会社リクルートで新規事業開発に携わった後に起業。教育・HRコンサルティングと事業開発支援事業を手掛ける。2023年からは生成AIを活用した事業開発・導入・運用支援事業を開始し、EdTech・HRTech企業や地方自治体を中心に数十社の支援も行う。現在、年間100回以上講演会を行いながら、複数社でDX顧問・生成AIアドバイザーを務める。

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