Midjourneyが医療業界へ参入 画像生成AI企業が発表した「全身スキャナー」とは

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本記事を10秒でまとめると

画像生成AIで知られるMidjourneyが、新たに医療事業「Midjourney Medical」を発表し、全身を超音波でスキャンする大型装置「Midjourney Scanner」を公開した。さらにスキャナーとサウナを組み合わせた健康管理施設「Midjourney Spa」構想も明らかにしている。まだ医療機器としての実用化には課題が残るものの、AI企業がチャットや画像生成の枠を超え、現実世界の課題解決へ進出し始めていることを象徴する発表として注目を集めている。

今回の発表とは

画像生成AIサービスMidjourneyは、新たな医療部門「Midjourney Medical」の立ち上げと、自社初となるハードウェア製品「Midjourney Scanner」を発表しました。公開された装置は大型の筒状構造を持ち、利用者が内部に入ることで全身をスキャンできる仕組みとなっています。

同社はこの技術について、

「full body, ultrasonic, computational tomography(全身超音波コンピュータ断層撮影)」

と説明しています。

さらにMidjourneyは、スキャナーとサウナ施設を組み合わせた「Midjourney Spa」構想も発表しており、健康管理と医療データ取得を融合させる新しいサービスモデルを構想していることが明らかになりました。これまで画像生成AI企業として知られてきたMidjourneyが、突如として医療・ヘルスケア分野へ参入したことで大きな話題となっています。

Midjourney Scannerとは何か

公開された情報によると、Midjourney Scannerは超音波を利用して全身を立体的に撮影する装置です。一般的な超音波検査では、医師がプローブを身体の特定部位に当てて画像を取得しますが、一方でMidjourney Scannerは、全身を取り囲む大量の超音波センサーから取得したデータをコンピュータで解析し、三次元的な身体情報として再構築することを目指しています。

Midjourneyによれば、筋肉や脂肪、骨格、臓器などの情報を短時間で取得できる可能性があるとしていますが、現時点では詳細な技術仕様は公開されていないものの、従来の超音波検査とは大きく異なるアプローチであることは間違いありません。

MRIやCTとは何が違うのか

今回の発表を見て、MRIの代替なのか / CTと同じものなのか と感じた人もいるのではないでしょうか。しかしMidjourney ScannerはMRIでもCTでもありません。
MRIは強力な磁場を利用して体内構造を撮影し、CTはX線を用いて断層画像を取得します。一方でMidjourney Scannerは超音波を利用するとのことで、超音波は放射線被ばくがなく、安全性が高いというメリットがあります。

そのためMidjourneyは、「MRIレベルの身体情報をより手軽に取得できる未来」を目指していると説明しています。
ただし現時点でMRIと同等の診断能力が実現できるかについては検証段階であり、今後の技術的な評価が必要となるでしょう。

なぜ画像生成AI企業が医療へ参入するのか

今回の発表で最も注目すべき箇所は、なぜ画像生成AI企業であるMidjourneyが医療分野へ進出するのかという点ではないでしょうか。

Midjourney創業者のDavid Holz氏は、画像生成AI以前にLeap Motionを創業したことで知られています。Leap Motionは人間の手や身体の動きを認識する技術を開発していた企業であり、元々David Holz氏は人間とコンピュータの新しい接点を作ることに強い関心を持っていました。
そう考えると、今回の発表は画像生成AIから全く別分野へ移動したというより、「人間をより深く理解する技術」への延長線上にあるとも考えられます。

Midjourney Spa構想とは

今回の発表でもう一つ注目を集めたのが「Midjourney Spa」です。

Midjourneyは将来的に、スキャナーとサウナを組み合わせた健康管理施設を展開する構想を明らかにしています。
従来の「異常が見つかったら病院へ行く」という考え方から「日常的に身体を可視化する」という発想に変わり、サウナや温浴施設を利用する感覚で身体情報を取得し、自分の健康状態を継続的に把握していく未来を目指しています。

同社はこうした体験を通じて、健康管理そのもののあり方を変えようとしているようにも見えます。

本当に実現できるのか

一方で、現時点では慎重に見る必要もあります。

Midjourney Scannerはまだ実証段階にあり、医療機器として広く利用できる状態ではありません。FDAをはじめとする各国の医療認証もこれからであり、診断用途として利用できるのは少なくともまだ先の未来となります。また専門家からは、誤検知の可能性や過剰診断のリスクなども指摘されています。

そのため現段階で「医療革命」と評価するのは時期尚早ではあるものの、仮に実用化に成功すれば、健康診断や予防医療のあり方を大きく変える可能性を秘めていることも事実でしょう。

AI企業は現実世界へ進出し始めている

Google DeepMindはAlphaFoldによって創薬や生命科学へ進出しました。そしてAnthropicはAlphaFoldの立役者でありノーベル化学賞受賞者でもあるJohn Jumper氏を迎え入れています。

そしてMidjourneyは医療機器という現実世界のハードウェア領域へ踏み込もうとしています。

各社ともAIモデルそのものの性能競争から、その技術をどの分野へ適用するかという競争へ移りつつあります。

まとめ

フィジカルAIに限らず、AIをどのように現実世界へ実装するのかが重要なテーマになりつつある昨今、Midjourney Scannerが本当に医療業界を変える存在になるのかはまだ分かりません。

しかし今回の発表は、AI企業が単なるソフトウェア企業ではなく、科学、医療、創薬といった現実世界の課題解決へ向かい始めていることを逃れようのない事実であり、皆様の従事されている業界との接点がどうなるかに引き続き注目していく必要があるのではないでしょうか。

writer:佐伯 美月

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この記事を書いた人

株式会社NEDLAB AIインサイト編集部

大学では環境情報学を専攻。国内IT企業でSaaSマーケティングに従事した後、生成AIの急速な進化に関心を持ちAI分野のリサーチ活動を開始。
現在はAIインサイト編集部として、主に海外AI企業の最新動向や生成AIツールのアップデート、AIスタートアップの動きなどを中心に調査・執筆を担当。

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