Google Driveが賢く進化!Gemini搭載でファイル整理が不要に
本記事を10秒でまとめると
Google DriveにGeminiが直接統合!
Drive上でファイルを開くだけで、Geminiが自動で要約やデータ化を実行。面倒な領収書の整理・転記も一瞬で完了。Geminiがファイル活用の常識を変える新機能を徹底解説します。
Google DriveのGemini機能とは
2025年9月13日のアップデートにより、Google Driveのインターフェース内に直接Geminiが統合されました。これは、Drive上でファイル(ドキュメント、スプレッドシート、PDF、画像など)を開くと、そのファイル内容を文脈として理解したGeminiのサイドパネルが自動で表示される機能です。
これにより、Google Driveは単なる「ファイルを保管する倉庫」から、ファイルの中身を理解し、整理・要約・データ化までをサポートする「インテリジェントな作業空間」へと進化しました。
2つのGemini連携:どっちをいつ使う?メリット・デメリット比較
今回のアップデートにより、Google DriveとGeminiの連携方法は2種類になりました。それぞれの特徴を理解し、使い分けることが重要です。
A:GeminiにDriveを連携(Geminiが主役) | B:Drive上でGeminiを利用(Driveが主役) | |
やり方 | Geminiのチャット画面の「+」から、Drive内のファイルを呼び出す。 | Driveでファイルを開くと、右側にGeminiパネルが自動表示される。 |
メリット | ・複数ファイルを横断して分析・要約できる。 ・創造的タスク(ブログ執筆等)の素材としてファイルを活用しやすい。 | ・特定のファイルに対して、その場でデータ抽出や要約ができる。 ・ファイルを開いてから「何をしようか」考えられる手軽さ。 |
デメリット | ・どのファイルを使うか、事前に把握している必要がある。 | ・分析対象が、その時に開いているファイルに限定される。 |
結論 | 複数の情報源から新しいものを創るのに最適。 | 目の前のファイルを手早く処理・活用するのに最適。 |
今回のアップデートは、後者のパターンBを可能にするものです。
実際にやってみた:面倒な領収書整理が“秒”で終わる衝撃体験
この新しいDrive上のGemini機能を使って、誰もが面倒に感じる「領収書の整理・転記」作業がどう変わるのか、実際に試してみました。
【ステップ1:画像ファイルを開くだけでAIが起動】

まず、Google Driveに保存した領収書の画像ファイルを開きます。すると、画面右側に自動でGeminiのサイドパネルが立ち上がり、「このドキュメントを要約する」「Geminiに相談」というボタンが表示されました。
【ステップ2:「要約」ボタン一発で文字起こし完了】

「このドキュメントを要約する」をクリック。すると、Geminiが画像内の文字を高精度でOCR(光学文字認識)処理し、日付、金額、店名といった要点を正確に抜き出して要約してくれました。
【ステップ3〜4:自然言語で「表にして」と指示】

次に、チャットで「経費を管理しているスプレッドシートに反映させたいので、以下の表形式にまとめて」と、欲しいフォーマットを自然言語で指示しました。

すると、ものの数秒で指示通りの美しいテーブルデータが生成されました。あとはこれをコピーするだけです。
【ステップ5〜7:大量の領収書も一瞬でデータ化】

次に、複数枚の領収書をまとめた画像ファイルで試してみます。

今度は最初から「Geminiに相談」をクリック。すると、ファイルの概要説明に加えて、Geminiでできることの提案(Gem)まで表示してくれました。

先ほどと同様に表形式での出力を依頼すると、これほど大量の領収書の情報も、一瞬で、かつ正確に一つのテーブルにまとめてくれました。 これまで手作業で30分以上かかっていた作業が、わずか1分足らずで完了する、まさに革命的な体験です。
まとめ
Google DriveへのGemini直接統合は、私たちのファイル管理・活用の常識を根底から覆すアップデートです。Geminiがファイルの中身を理解してくれることで、私たちは「どこにファイルを置いたか」を管理する時代から、「ファイルを使って何をしたいか」をGeminiに伝えるだけで良い時代へと移行します。
特に、画像やPDFに含まれるテキスト情報を扱うあらゆる業務において、絶大な効果を発揮するでしょう。
今後のビジネスでの展望
この機能は、日々の業務に大きな変革をもたらします。
- 経費精算・請求書処理の完全自動化: 社員が領収書や請求書をスキャンして特定のGoogle Driveフォルダに入れるだけで、Geminiが自動で内容を読み取り、経費精算システムや会計ソフト用のデータに変換・転記するワークフローが現実になります。
- 契約書・議事録管理の高度化: Driveに保存された大量の契約書PDFの中から、「A社との契約で、秘密保持義務について書かれたものを探して要約して」といった高度な検索が可能になります。議事録ファイルを開き、「この会議の決定事項と担当者をリストアップして」と指示するだけで、タスク管理も効率化できます。
- インテリジェントな社内ナレッジベース: 社内の報告書や技術資料をすべてDriveに集約すれば、必要な時にファイルを開いてGeminiに質問するだけで、膨大な知識の中から横断的に答えを見つけ出す「社内AI検索エンジン」として機能します。
Google Driveはもはや単なる倉庫ではありません。あなたのビジネスデータを理解し、整理し、価値に変えるための、最も強力なAIパートナーへと進化したのです。
一方で、もっと便利にGoogleDriveに格納しただけでGoogleスプレットシートに自動でデータを反映させたいと思うかもしれません。まさに、「生成AIを活用する」から「生成AIを活用してより効率化する」に移行する際に皆様が考えることでしょう。この悩みはRPAツールやノーコードワークフローなどを使わなくてもGeminiにGAS(Google App Script)を書かせれば解決します。是非このアップデートだけでは満足できない方は試してみるのも良いかもしれません。
writer:宮﨑 佑太(生成AIアドバイザー)