ChatGPT新機能「Branch」で会話を分岐!仕事が捗る使い方

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ChatGPT新機能「Branch」で会話を分岐!仕事が捗る使い方

本記事を10秒でまとめると

ChatGPTに待望の会話分岐(Branch)機能が登場!

元の文脈を維持したまま、新たなチャットで異なる質問や深掘りが可能に。リサーチやアイデア出しが劇的に効率化する新機能の使い方と活用法を解説します。

ChatGPTとは

ChatGPTは、米国のOpenAI社が開発した、人間と自然な対話ができる生成AIチャットサービスです。

質問に答えるだけでなく、文章の作成や要約、翻訳、アイデアの提案、プログラムのコード生成など、幅広い知的作業を高い精度で実行できます。その驚異的な性能から、世界中のビジネスや個人の生産性向上に活用されています。

今回のアップデートとは

これまでChatGPTでは、一つの会話(スレッド)は一本道でした。途中で別の話題や異なる視点からの質問を試したい場合、元の文脈をコピーして新しいチャットを始めるか、過去のプロンプトに戻って編集する必要があり、元の会話の流れが失われてしまうのが難点でした。

本日発表された「Branch(ブランチ)」機能は、この課題を解決します。

この機能を使うと、会話の途中から、それまでの文脈をすべて引き継いだ状態で、新しいチャットに分岐させることができます。元のスレッドはそのまま保持されるため、一つのテーマから「Aの深掘り」「Bの視点」「Cの要約」といったように、思考の枝葉を自由に、かつ整理された状態で広げていくことが可能になりました。

この機能は、Web版にログインしているすべてのユーザーが9/5より利用できます。

実際にやってみた

この革命的な「Branch」機能が、どれほど便利なのかを実際に試してみました。今回は「業務委託における偽装請負」という少し複雑なテーマでその実力を検証します。

【ステップ1:まずは通常通り質問】

まず、ChatGPTに「業務委託における偽装請負について知りたい」と質問しました。すると、定義や典型的な事例、リスク、回避ポイントなどをまとめた非常に分かりやすい回答が得られました。これが今回の調査の「幹」となる情報です。


【ステップ2:「Branch」機能で会話を分岐させる】

回答の下部を見ると、新しく「新しいチャットに分岐します」というボタンが追加されています。これをクリックするのが「Branch」機能の入り口です。


【ステップ3-1:分岐①『具体的な行動』について質問

最初の分岐を試してみます。元の回答を基に、「顧問先の助言で使いたい。実際に勤怠管理をしたり休憩時間をなくすよう指示している企業を発見しました。どこに通報すれば良い?」という、より具体的なアクションに関する質問を投げかけてみました。

すると、新しいチャットが立ち上がり、元の文脈を理解した上で「厚生労働省 労働局 労働基準監督署」といった的確な通報窓口を提示してくれました。

【ステップ3-2:分岐②『個人的なアドバイス』を求める】

次に、元のスレッドに一度戻り、再度「新しいチャットに分岐します」を選択。今度は全く別の角度から、「業務委託をしている友人がそのような状況で困っています。どのようなアドバイスをすれば良い?」と、友人へのアドバイスという個人的な観点での質問をしてみました。

すると、こちらも新たなチャットが立ち上がり、友人自身が状況を整理するための具体的なチェック項目をアドバイスしてくれました。

このように、「偽装請負とは何か」という一つの情報源から、「公的な通報窓口」と「友人への私的な助言」という二つの異なるゴールに向けた対話を、元の情報を失うことなく同時に進めることができました。

まとめ

ChatGPTの「Branch」機能は、単なるUIの改善に留まりません。これまで直線的だった生成AIとの対話を、人間の思考プロセスに近い「放射線状」の探求へと進化させる、画期的なアップデートです。

一つの中心的な情報から、複数の可能性を同時に、かつ整理された状態で検討できるため、リサーチ、分析、アイデア出しといった知的作業の質とスピードを飛躍的に向上させます。

今後のビジネスでの展望

この機能は、ビジネスの様々なシーンで強力な武器となります。

  • 企画・ブレインストーミング: 中心となるアイデアから、マーケティング戦略、技術的実現性、リスク分析など、各担当者がそれぞれの観点で分岐させて議論を深めることができます。
  • 資料・レポート作成: 一次調査の結果を幹として、そこから「経営層へのサマリー」「現場担当者向けの詳細手順」「プレゼン資料の構成案」など、用途別に最適なアウトプットを分岐させて同時に生成できます。
  • 意思決定のサポート: ある選択肢について、メリットを深掘りする分岐、デメリットを洗い出す分岐、代替案を検討する分岐を並行して進めることで、より多角的で抜け漏れのない意思決定が可能になります。

「Branch」機能は、ChatGPTを単なる「回答生成ツール」から、思考を整理し、多角的な検討をサポートする真の「思考パートナー」へと昇華させる一歩と言えるでしょう。

writer:宮﨑 佑太(生成AIアドバイザー)

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