2025年10月26日の「デイリーAI」です。
本日のヘッドラインはこちら。
今日のTOP NEWS (2件)
1. Google、東南アジアでのAI活用推進イニシアチブを発表
・ASEANビジネス投資サミットにて、東南アジアでのAI活用を加速する新イニシアチブを発表
・同地域のAIツール利用率は70%に達し、2700億ドルの経済効果が見込まれると試算
・農業APIの拡大やクリーンエネルギー計画ツールへの資金提供などを通じ、科学技術や持続可能性分野でのAI実装を支援
・情報源: https://www.publicnow.com/view/08B035A3EA6AA905A43938F810DD5754E907ECE4
2. Arc Research、AIナレッジグラフ活用した商品市場分析PFを発表
・AI駆動の商品市場インテリジェンスプラットフォームを発表
・独自のナレッジグラフを活用し、ポッドキャストなど非構造化データも統合分析
・地政学リスクなどが金や銀などの貴金属市場に与える影響を可視化
・投資家向けに、ノイズを除去した明確で実用的なインサイトを提供
・情報源: https://www.hartogelevator.com/markets/stocks.php?article=marketersmedia-2025-10-26-arc-research-revolutionizes-commodity-intelligence-with-ai-driven-knowledge-graph
Today’s Insight
本日のGoogleによる東南アジアでのAI活用推進イニシアチブは、単なる技術提供に留まらない、巧みな「AI外交」戦略です。急成長する東南アジア市場を、AIプラットフォーム競争の次なる主戦場と定め、その覇権を握ろうとするGoogleの野心が見て取れます。
この動きが興味深いのは、欧州の「AIギガファクトリー」構想や日本の「GPUアライアンス」といった、国家が主導するインフラ構築(物理層)の動きとは一線を画す点です。彼らが自国の「デジタル主権」を守るためにハードウェアの確保に注力する一方、Googleは農業やクリーンエネルギーといった、その国や地域の根幹を成す産業課題の解決にAIを直接投入する「アプリケーション層」からのアプローチを取っています。これは、自社の既存の強み(Google Cloud、Google Work Space、Gemini等)を最大限に活かし、現地の政府や企業にとって不可欠なパートナーとしての地位を確立する戦略です。
ビジネスパーソンにとって、これは直接的に関係する人は多くないかもしれませんが、もはや生成AIは、オフィス業務を効率化するだけのツールではないということを理解しておくべきでしょう。農業生産性の向上やエネルギー転換といった、より大規模で社会的な課題を解決するエンジンとなってきているのです。Googleの今回の動きは、そうした課題解決型AIの市場において、自社のプラットフォームがデファクトスタンダードとなるための布石です。東南アジアで事業を展開する企業は、この巨大なエコシステムの動向を注視し、自社のビジネスをどう連携させるか、あるいはどう差別化するか、戦略的な判断が求められることになるでしょう。
— 宮﨑 佑太(生成AI活用アドバイザー)

 
	 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			 
			