2025年10月20日の「デイリーAI」です。
本日のヘッドラインはこちら。
今日のTOP NEWS (3件)
1. NTT、次世代国産LLM「tsuzumi 2」の提供を開始
・NTTがゼロから開発した「純国産モデル」であり、オンプレミスやプライベートクラウドでの運用を前提。 
・日本語性能は同規模のモデルと比較して世界トップクラス、ビジネスで重視される基本性能では数倍規模のモデルに匹敵。 
・1GPUでの動作が可能な軽量性を継承し、高いコストパフォーマンスを維持。 
・金融・医療・公共分野の知識が特に強化され、機密性の高い情報も安全に取り扱うことが可能。 
・情報源: https://group.ntt/jp/newsrelease/2025/10/20/pdf/251020aa.pdf
2. AnthropicのClaude、Microsoft 365スイートに直接統合
・ClaudeがMicrosoft 365(Word, Outlook, Teams)に直接統合されることが発表
・ユーザーの文書や予定から文脈を取得し、情報収集の時間を短縮
・MicrosoftはOpenAIに加えClaudeも採用し、単一モデルへの依存を減らすマルチモデル戦略へ移行 
・AIの価値がモデル性能から、既存業務へのシームレスな統合へとシフトしていることを示す
・情報源: https://www.uctoday.com/collaboration/anthropic-claude-microsoft-365-integration-enterprise-ai/
3. Google、NotebookLMにスライド生成機能の追加か
・NotebookLMのStudioに動画生成やクイズ生成などのほかにスライド生成機能が追加予定
・スライド自動生成を武器にしていたSaaSに大きな影響の可能性
・Googleスライド生成は今まで他ツールもしくは高度なGASが必要
・Google Work Spaceがプラットフォームとしてさらに優位性を築く可能性が高い
・情報源: https://www.testingcatalog.com/google-works-on-slides-generation-feature-for-notebook-lm/
Today’s Insight
ClaudeのMicrosoft 365への統合は、生成AI業界の競争が「モデルの性能」を競う第一幕から、ユーザーの業務プロセスをいかに深く押さえるかという「プラットフォーム覇権争い」の第二幕へ移行したことを象徴しています 。Microsoftが自社のCopilot(OpenAI製)に加えて競合であるClaudeも組み込むという決断は、特定のLLMに依存するリスクを避け、プラットフォーム側が主導権を握るための戦略的な一手です。これは、基盤となるLLMがコモディティ化(汎用品化)していく未来を示唆しています。
ビジネスパーソンにとって、この変化は重要です。もはや「どのAIが賢いか」を比較検討する時代は終わりつつあります。問われるべきは「どのAIが自分の業務フローに最もシームレスに溶け込み、生産性を最大化してくれるか」です。今後は、個別のAIツールの使い方を学ぶだけでなく、
 (1)自社の業務プロセスを分解し、
 (2)どの部分をAIエージェントに任せるべきかを見極め、
 (3)その上で最適な統合プラットフォームを選択する、
という「ワークフロー設計者」としての視点が不可欠になるでしょう。生成AI導入=ツール選定ではなく、業務プロセスの再設計と捉えることが、次の競争力につながります。
— 宮﨑 佑太(生成AI活用アドバイザー)

 
	 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			