GoogleスライドにNano Banana 搭載!資料作成のデザイン工数がゼロに?

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本記事を10秒でまとめると

GoogleスライドにNanoBananaが搭載され、「このスライドの見栄えを良くする」を押すだけでNanoBananaが構成やデザインが刷新されたスライドが数秒で生成可能に。デザインや構成を考えることなくスライド生成時間がさらに短縮可能になりました。さらに、より使い倒すサードパーティーも紹介。


Nano Bananaとは

「NanoBanana」とは、Googleの最新画像生成AIモデルシリーズに付けられた開発コードネームです。

2025年8月に登場した初代「NanoBanana(Gemini 2.5 Flash Image)」は、それまでの画像生成AIが苦手としていた「キャラクターの一貫性」と「対話による部分修正」を実現し、Googleスライドなどのワークスペースに統合されることで、ビジネス資料の作成フローを劇的に効率化させました。

そしてその進化系として今月発表されたのが「NanoBanana 2」ではGemini 3 Proを搭載し、Geminiが「描く前に考える」思考プロセスを実装。4K画質対応や物理的な矛盾の解消など、表現力が飛躍的に向上しました。


 今回のアップデート内容とは

今回のアップデートにより、この強力なNanoBananaがGoogleスライドに直接統合されました。

具体的には、スライド編集画面に「このスライドの見栄えを良くする(Make this slide look better)」というアシスト機能が表示されるようになりました。これは単なるテンプレートの提案ではありません。以下のような高度な処理が、スライド上で直接行われると考えられます。

  • 文脈理解と画像生成: スライド内のテキストや箇条書きの内容を読み取り、その文脈に最も適した挿入画像をNanoBananaがその場で生成します 。
  • 素材の統合: 手持ちのラフ画やグラフデータをアップロードすれば、NanoBananaの「複数素材を統合する能力」により、違和感のない一枚のプロフェッショナルなスライド画像へ昇華させます 。
  • 一貫性の維持: プレゼンテーション全体のトーン&マナーに合わせて、全スライドの画像の画風や色味を統一することも、NanoBananaの強みである「一貫性」によって容易になります 。

これまで、Google DriveやDocsへのGemini統合が進んできましたが 、視覚情報が最も重要となるスライド作成において、NanoBananaという「最強の描画エンジン」が搭載されたことは、ビジネスパーソンの資料作成時間を劇的に短縮する決定打となるでしょう。


実際にやってみた

今回のアップデートがどれほど強力なのか検証しました。
まずは、いつもとおりGoogleスライドを開きましょう。下に「🍌このスライドの見栄えを良くする」というボタンが今回のアップデートで現れています。

では早速「🍌このスライドの見栄えを良くする」を押してみると、サイドパネルが出てきてNano Bananaが立ち上がります。

数十秒でデザインやレイアウトを刷新したスライド画像が生成されます。

生成されたスライド画像を押すと以下のようにポップアップが現れます。

「新しいスライドとして挿入します」を選択するとこのように新しいスライドとして差し込まれます。

2枚を見比べてみると、サイバーパンク感がすごいですが日本語や細かいグラフまで忠実に再現されています。

ですが、Nano Bananaの真骨頂は以下のようなスライドでこそ発揮されます。
この一切画像等を差し込んでいない文字だけのスライドをNano Bananaに渡してみましょう。

すると、人間が作ろうと思うとあれこれ小一時間かかる構成やアイコンや挿絵全てをNano Bananaが考えて即座に作成してくれます。

Nano Bananaの魅力である文脈や元画像を引き継ぎ指定箇所だけ修正することももちろん可能です。

右のサイドパネルで例えば「中央にある馬の画像を、カリキュラムを想起させる書籍とPCのアイコンに差し替えて」と指示してみましょう。

すると、指定箇所だけ指示とおり画像が差し替えられました。

サイバーパンクのままだといかにも生成AIで作成した感じが出るので、この流れでサイバーパンクさも他のデザインに差し替え指示をすることをお勧めします。


KIRIGAMI.aiの活用

Nano Banana搭載のGoogleスライドの時短能力は計り知れないですが、一方で最大の致命的なデメリットは生成したスライドはNano Banana経由以外で編集不可能な画像として生成されることです。

このデメリットを解消するサードパーティーツールが KIRIGAMI.ai です。



TOP画面にあるとおり、左側にGoogleスライドで生成されたNano Bananaのスライドを画像にして添付すると数十秒で新しいpptxファイルが生成されます。

Googleスライドで開いてみると、見た目は何も変わりません。ですが、スライド画像を選択し、「グループ化解除」を押すとスライド上の様々なオブジェクトが個別のオブジェクトに分解されています。

このように、北海道部分も自由に選択修正可能です。
メリットとしては、各パーツを自由に個別オブジェクトとして修正・加工可能であることですが、まだまだ発展途上のツールで日本語もオブジェクトとして分解されてしまい、新たにテキストボックスで作り直す必要があったり今の時点ではビジネスでの使用しにくいので今後のアップデートに期待です。


まとめ

今回のGoogleスライドへのNano Banana搭載は、単なる「画像生成機能の追加」にとどまらず、我々が資料作成にかける時間を根本から変えるものです。

これまでのスライド作成は、構成を練った後にデザインやレイアウト調整に多くの時間を割いていました。しかし、今回のアップデートにより、私たちは「テキストで伝えたい中身を書くこと」だけに集中すればよくなります 。あとはボタン一つで、Nano Bananaが文脈を理解し、最適なデザインへと昇華させてくれます 。

一方で、生成されたスライドが「編集不可能な画像」になってしまうという現状の課題もあります 。この点を補う「KIRIGAMI.ai」のようなサードパーティーツールも登場していますが、日本語対応などまだ発展途上の段階です 。

しかし、それでも「デザイン工数ゼロ」の恩恵は計り知れません 。 とりあえずNano Bananaで8割の完成度まで一瞬で持っていき、細部は別途調整する、あるいはKIRIGAMI.aiの進化を待つ。そのような使い分けをすることで、ビジネスパーソンの資料作成時間は劇的に短縮され、本来注力すべき「本質的な業務」により多くの時間を割けるようになるでしょう 

writer:宮﨑 佑太(生成AIアドバイザー)

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この記事を書いた人

生成AI・教育コンサルタント
株式会社NEDLAB 代表取締役
株式会社SAKI COO
青楓館高等学院 Probono Menter

学校法人河合塾や株式会社リクルートで新規事業開発に携わった後に起業。教育・HRコンサルティングと事業開発支援事業を手掛ける。2023年からは生成AIを活用した事業開発・導入・運用支援事業を開始し、EdTech・HRTech企業や地方自治体を中心に数十社の支援も行う。現在、複数社でDX顧問・生成AIアドバイザーを務める。

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