ChatGPT社内情報連携、NTT西が音声AI事業|デイリーAI_2025.10.27

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2025年10月27日の「デイリーAI」です。
本日のヘッドラインはこちら。

・OpenAI、ChatGPTに社内情報と連携する「Company Knowledge」機能を追加
・NTT西日本、音声AI事業「VOICENCE」を開始

目次

今日のTOP NEWS (2件)

1. OpenAI、ChatGPTに社内情報と連携する「Company Knowledge」機能を追加

・ChatGPTの新機能「Company Knowledge」の発表
・Slack、Google Drive、GitHubなど社内ツールとの連携が可能に
・組織内の情報に基づいた回答を、引用・リンク付きで生成
・既存の権限設定を尊重し、各ユーザーがアクセスを許可された情報のみを利用
・情報源: https://help.openai.com/en/articles/10128477-chatgpt-enterprise-edu-release-notes

2. NTT西日本、音声AI事業「VOICENCE」を開始

・”声の権利”を守り、”声の価値”を高める音声AI事業「VOICENCE」を開始
・ブロックチェーン技術などを活用し、デジタルデータの真正性やトレーサビリティを証明
・生成AIによる無断生成・改ざん・なりすまし等のリスク拡大に対応
・同技術はNEDOの懸賞金プログラム「GENIAC-PRIZE」も受賞
・情報源: https://www.ntt-west.co.jp/news/2510/251027a.html

Today’s Insight

本日OpenAIが発表した「Company Knowledge」は、法人向けAIアシスタントの競争がますます熾烈になった合図と言えるでしょう。これまで「賢い頭脳」として外部で機能していたChatGPTが、企業の内部情報に直接接続し、「社内の事情を理解した同僚」へと進化する一歩と言えます。

この動きは、Microsoft CopilotがMicrosoft 365のデータと深く連携して先行する市場への、OpenAIによる本格的な挑戦状です。Microsoftが自社エコシステム内のデータ連携を強みとするのに対し、OpenAIはSlack、Google Drive、GitHubなど、多くの企業が利用するサードパーティ製ツールに幅広く接続する「プラットフォーム横断型」のアプローチを取っています。これは、特定のベンダーに縛られない柔軟なIT環境を構築している企業にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

ビジネスパーソンにとって、これは生成AIの選定基準が根本的に変わることを意味します。もはや「どのモデルが最も賢いか」という単一の問いは意味をなさなくなりつつあります。「どの生成AIが、自社の利用ツールと最も安全かつシームレスに連携し、社内ナレッジを最大限に引き出せるか」が新たな評価軸となるのです。OpenAIが「既存の権限設定を尊重する」と強調している点も重要で、これはエンタープライズ市場におけるセキュリティ懸念への明確な回答です。AIアシスタントの導入は、単なるツール選定ではなく、自社の情報資産をどう活用するかという、より高度なデータ戦略そのものになったと言えるでしょう。

— 宮﨑 佑太(生成AI活用アドバイザー)

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この記事を書いた人

生成AI・教育コンサルタント
株式会社NEDLAB 代表取締役
株式会社SAKI COO
青楓館高等学院 Probono Menter

学校法人河合塾や株式会社リクルートで新規事業開発に携わった後に起業。教育・HRコンサルティングと事業開発支援事業を手掛ける。2023年からは生成AIを活用した事業開発・導入・運用支援事業を開始し、EdTech・HRTech企業や地方自治体を中心に数十社の支援も行う。現在、複数社でDX顧問・生成AIアドバイザーを務める。

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