Meta、AIインフラへ巨額投資、IBM決算発表へ|デイリーAI_2025.10.22

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2025年10月22日の「デイリーAI」です。
本日のヘッドラインはこちら。

・Meta、AIインフラに270億ドル規模のJV設立
・IBM、2025年第3四半期決算発表

目次

今日のTOP NEWS (2件)

1. Meta、AIインフラに270億ドル規模のJV設立

・資産運用会社Blue Owl Capitalと次世代AIデータセンター建設のための合弁事業設立を発表
・総開発費用は約270億ドル規模
・長期的なAI戦略を支える物理インフラの確保が目的
・AIの覇権争いが計算基盤の確保へと移行していることを示す動き
・情報源: https://about.fb.com/news/2025/10/meta-blue-owl-capital-develop-hyperion-data-center/amp/

2. IBM、2025年第3四半期決算発表

・全セグメントで収益が成長し、売上高は163億ドル(前年同期比9%増)を記録
・AI関連事業の顧客基盤は現在95億ドル超
・ソフトウェア(10%増)、インフラストラクチャ(17%増)の両セグメントが成長を牽引
・好調な業績を受け、通期の売上高成長率とフリーキャッシュフローの見通しを上方修正
・情報源: https://newsroom.ibm.com/2025-10-22-IBM-Reports-2025-Third-Quarter-Results

Today’s Insight

本日のMetaによる270億ドル規模のデータセンター投資の発表は、生成AIの競争が物理的なインフラの支配を巡る「物理層の戦争」に突入していることを明確に示しています。これまで生成AIの競争は、モデルの性能を競う第一幕、プラットフォーマーとしてユーザーを囲い込む第二幕と進んできました。しかし、今回の巨額投資は、それらの優位性が自前でコントロールできる巨大な計算基盤なくしては成り立たないという厳しい現実認識に基づいています。この動きは、同様に本日報道があった巨大計算基盤の構築を目指す欧州委員会の「AIギガファクトリー」構想と比較すると、その性質の違いが際立ちます。欧州の構想は、米中の技術への依存から脱却し「デジタル主権」を確保するという国家連合レベルの防衛的な戦略であるのに対し、Metaの投資は一企業が国家レベルの戦略的判断で、競合に対する圧倒的な参入障壁を築こうとしています。これは、20世紀に石油資源の支配が地政学的な力を決定づけたのと同様に、21世紀においてはAI計算基盤の支配が企業の競争力を左右するという時代の到来を意味します。

ビジネスパーソン特に経営者にとっては、どのクラウドサービスやモデルを選ぶかという技術的な問題だけではなく、その背後にある物理インフラを誰が所有し、どのような地政学的リスクを内包しているのか、という視点が不可欠になります。生成AIはアルゴリズムだけでなく、土地、電力、そしてハードウェアへのアクセスによって規定される時代がすでに始まっています。

— 宮﨑 佑太(生成AI活用アドバイザー)

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この記事を書いた人

生成AI・教育コンサルタント
株式会社NEDLAB 代表取締役
株式会社SAKI COO
青楓館高等学院 Probono Menter

学校法人河合塾や株式会社リクルートで新規事業開発に携わった後に起業。教育・HRコンサルティングと事業開発支援事業を手掛ける。2023年からは生成AIを活用した事業開発・導入・運用支援事業を開始し、EdTech・HRTech企業や地方自治体を中心に数十社の支援も行う。現在、複数社でDX顧問・生成AIアドバイザーを務める。

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