
この記事を10秒でまとめると
- AIO/AEO/LLMOは、同じ話を別角度から言っているだけ。「AIに見つけられ、理解され、引用され、CVにつながる」設計が本体。
- Googleは“AI向けの特別な最適化は不要、SEOの基本が有効”と整理している。裏技探しは時間の無駄。
- それでも勝敗はつく。差は一次情報・構造・権威・計測の4点で決まる(=マーケの基本の延長戦)。
なぜ今、AIO/AEO/LLMOへの言及が急に増えたのか
背景は単純で、検索やチャットが、「リンクを並べる」から「答えを合成する」へ寄っているから。
Google検索ではAI OverviewsやAI Modeが進み、複数検索を同時に走らせて回答を組み立てる(query fan-out)とも説明されています。(出典:Google公式ブログ)
さらに、AI Overviewsは「高品質なWeb結果に裏付けられた情報を提示し、リンクで深掘りさせる」設計だとされています。つまり“引用元”の争奪戦が起きる。
そしてコンサル界隈は、流行が来ると必ず新語を作る。AIO、AEO、LLMO、GEO…増えるのは自然現象。
問題は、言葉だけ増えて実務が伴わないことです。
用語の結論:3つはこう整理すれば十分
AEO(Answer Engine Optimization)
「答えとして抜かれる」最適化。検索の強調スニペット、音声、AI Overviews、チャットなど “回答面”に乗るための設計全般。
具体例
- Google検索の強調スニペット
- Siri/Alexa/Google Assistantの音声回答
- ChatGPT/Perplexityの生成回答
- Google AI Overviewsの引用枠
LLMO(Large Language Model Optimization)
LLMが回答を生成する際に、自社を参照・引用しやすくする最適化。最近は「AI回答に出るための最適化」として語られがちですが、狙うのはあくまで 引用→指名→比較→CV です。
具体例
- ChatGPTのWeb検索結果での引用
- Perplexityの回答ソース
- Google AI Overviewsの出典リンク
- Claude/Geminiの引用元表示
AIO(AI Optimization)
本来は広義で、AI活用による最適化全般(広告運用の最適化など)にも使われます。用法がブレるので、社内では 「AIO=広義」「AEO/LLMO=回答面」くらいに置くのが安全でしょう。
実務での使い分け
- AIO:経営層向け説明/営業資料/プレスリリースで使う(包括的で響きが良い)
- AEO/LLMO:実装チーム内で使う(具体で混乱しない)
言葉の正解探しはほどほどに。現場で必要なのは「勝ち筋の設計図」です。
用語の定義で1時間議論するより、5分で用語を決めて、残り55分を実装に使いましょう。
【図】3つの用語の関係(社内説明はこれで終わる)

- 外側(最大):AIO(AI活用全般)
- 中間:AEO(回答面の最適化)
- 内側(最小):LLMO(LLM特化の最適化)
- 右側に成果の流れ:引用 → 指名検索 → 比較検討 → CV
まず事実:Googleは“特別なAI最適化はいらない”と言っている
GoogleのSearch Centralは、AI Overviews/AI Modeに出るために追加要件や特別なマークアップは不要、従来のSEOの基本が有効、と明記しています。ここは冷静に受け止めるべきです。
# Google公式見解のポイント(原文引用)
“To maximize visibility in AI Overviews, focus on the general best practices for appearing in search, and for ranking highly in search results.” (AI Overviewsでの露出を最大化するには、検索での表示とランキング向上の一般的なベストプラクティスに焦点を当てること)
出典: https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-overviews
要するに、やるべきことはこれです。
- ❌ 「LLMO専用の秘密の施策」を探す
- ✅ SEOの基本(一次情報、構造、権威、計測)を徹底する
「確実にAI回答に載せます」みたいな営業トークは、この時点でだいたい終わり。
コントロール不能な領域を「確実」と言う時点で、再現性が薄い。
【警告】現実を直視しよう:AI Overviewsはクリックを減らし得る
ここからは“あまり業界が語りたがらない不都合な事実”です。
AI Overviewsが出ると、オーガニックCTRが下がる傾向を示す調査が複数あります。
Seer Interactive(AIO Impact on Google CTR)
Seer Interactiveは、AIO(AI Overviews)が出るクエリと出ないクエリでCTRを比較し、AI Overviewsが出るクエリのCTRが低いことを示しています。(参考:Seer Interactive(September 2025 Update)
Ahrefs(AI Overviews reduce clicks)
Ahrefsは、AI Overviewsがある場合に 順位1位のCTRが下がるという分析を複数回更新しています(2025年・2026年アップデートあり)。
“クリックされない”は体感ではなくデータで起きている
Pew Research Centerの分析(2025年のブラウジングデータ)では、AI概要が表示されると 通常リンクのクリック率が下がり、概要内リンクのクリックは 非常に低い傾向が報じられています。
- 参考:Pewのデータラボ記事
つまり、こういうことです
「AIに引用されれば流入が増える」わけではない。ユーザーの検索行動と意思決定プロセスが変わる中で、自社の価値を“読まれる形・引用される形”に再設計する――LLMO/AEOは、そのための手段の一つにすぎない。だからこれは“攻めの魔法”ではなく、守りと設計の施策だ。
- 今すぐ流入が増える魔法の施策ではない
- AI検索時代に情報を届け続ける基盤づくりである
ただし、流入が減ること自体は必ずしもネガティブとは限りません。
ユーザーが「クリックして読む」から「答えを受け取ってから行動する」に移れば、クリックは“学習”ではなく“確認・比較・申込”に近づきます。つまり、セッション数が減っても、CVRが上がってCV数が維持・増加するシナリオは十分にあり得る。
問題はクリック数ではなく、AI回答内で自社の価値がどう伝わり、次のアクションに接続できているかです。クリック後のページは「短距離で意思決定できる」設計に寄せるべきです。
- AIで理解した後に“最後の確認”をしに来る導線になっているか(価格・条件・比較表・FAQ・CTA)
- 指名検索や比較クエリが増えているか(=検討段階に進んでいるか)
- クリック後のページが短距離でCVまで到達できるか(結論先出し・摩擦の少ない導線)
それでも差が付く:AIが“引用したくなる”コンテンツ条件
Googleが「特別な施策は不要」と言っても、現実には差がつきます。
理由は単純で、AIは “引用できる材料” を探しているから。
AIの意思決定(現場で使う4条件)
1. 見つけられるか
- クロール可能か(robots / noindex事故がないか)
- インデックスされているか(Search Consoleで確認)
- 露出機会があるか(検索順位、ドメイン信頼性)
2. 理解できるか
- 構造が明確か(H2=質問、H3=回答)
- 定義が固定されているか(冒頭100〜180字で結論)
- 比較軸があるか(価格・機能・メリットなど)
3. 信頼できるか
- 一次情報があるか(独自調査、実務テンプレ、公式情報の統合)
- 権威があるか(著者プロフィール、実績、専門性)
- 整合性があるか(矛盾なし、出典明記、更新履歴)
4. 使えるか
- 回答に貼り付けやすい形か(短く抜ける、表現が明確)
- 重要情報がテキストで提供されているか(画像だけはNG)
- 文脈を壊さず引用できるか(冗長すぎない)
この4つを満たすほど、引用される確率は上がります。

実務チェックリスト:AEO/LLMOを“施策”に落とす(明日からやること)
① 1ページ1目的(クエリを欲張らない)
AI Overviewsが出やすいのは、定義・比較・手順・注意点などのKnow/How系。
ページ内で全部盛りすると、抜きどころが散って弱くなります。
❌:1記事で「AEOとは」「やり方」「SEOとの違い」「事例」全部
✅:記事を分割して“引用される形”を作る
記事分割の例:
- 記事A:「AEOとは」(定義特化)
- 記事B:「AEO vs SEO 5つの違い」(比較特化)
- 記事C:「AEO実装7ステップ」(手順特化)
② “定義文”を固定する(AIが抜きやすい形)
AIは冒頭100〜180字を引用しやすい。ここが弱い記事は、LLMO以前に負けています。
- 1文目:「◯◯とは〜である」を1文で記述
- 次に「違い/メリット/注意点」を箇条書き(3〜5点)
実装チェックリスト
□ 定義文が100〜180字以内
□ 「◯◯とは〜である」形式
□ 箇条書きで補足(違い/メリット/注意点)
③ 比較軸を先に置く(比較表はAIに効く)
AIは比較が得意。比較軸が明確だと回答を組み立てやすい。
比較軸(3〜5個が最適)
- 目的(何を達成するか)
- 手法(どうやるか)
- 成果指標(何で測るか)
- 難易度(実装しやすさ)
- コスト(費用・工数)
例:AEO vs SEO vs LLMO
| 要素 | SEO | AEO | LLMO |
|---|---|---|---|
| 目的 | 検索順位UP | 回答面への露出 | 引用獲得 |
| 成果指標 | 順位、流入数 | 引用数、指名検索 | 引用率、CVR |
| 施策 | キーワード、被リンク | 定義固定、構造化 | 一次情報、権威 |
| 難易度 | 高 | 中 | 中 |
| 即効性 | 低(目安:3〜6ヶ月) | 中(目安:1〜3ヶ月) | 中(目安:1〜3ヶ月) |
※期間は目安。領域・競合・既存資産で変動します。
□ 比較軸が3〜5軸で統一
□ 表形式で提示
④ 一次情報への導線を“本文内”に埋める
リンクを貼るだけでは弱い。本文で要点を要約し、出典を明示する。AIが裏取りできる材料になります。
| パターン | 具体例 | 信頼性 | 実装難易度 |
|---|---|---|---|
| 独自調査 | アンケ、行動ログ | ★★★ | 高 |
| 実務テンプレ | チェックリスト、手順書 | ★★☆ | 中 |
| 公式情報の統合 | 競合比較表 | ★☆☆ | 低 |
引用の書き方
- ❌「Googleによると〜」(URLなし)
- ✅「Googleは〜と説明しています(出典元URL /リンクあり)」
実装チェックリスト
□ 公式見解を引用(URLあり)
□ 統計データに出典明記
□ 本文内で一次情報を要約
⑤ 構造化データは“過信せず整合性で勝つ”
schema.orgは有効ですが、本文と不一致だと逆効果。
まず本文を整え、次にFAQ/Article/HowToを整合させる。これが順番です。
優先度:高
- FAQPage
- Article
- HowTo(手順記事のみ)
注意
- FAQ schemaの質問数と本文FAQの数は一致させる
- 公開日・更新日・著者は必ず整える
よくある誤解:LLMOは“AIに好かれる文章術”ではない
AIが評価するのは「気持ちいい文章」ではなく、矛盾がなく、定義が明確で、根拠があり、更新されている情報。
つまり 良い編集です。
まとめ:呼び方はどうでもいい。勝つのは“編集×計測×一次情報”
AIO/AEO/LLMOは、言い換えれば
「AIにとって引用可能な情報資産を、事業KPIにつなぐ設計」です。
奇策ではなく、一次情報と編集の地力で勝ちましょう。

