本記事を10秒でまとめると
Gensparkが2025年12月に実施したアップデートにより、既存のPowerPointファイルをそのままアップロードし、AIスライドのテンプレートとして再利用できる機能が追加されました。
これにより、スライド作成は「毎回ゼロから作る作業」から「過去の良い資料をGensparkに継承させ、量産する業務」へと大きく変わります。
Genspark AIスライドとは
Genspark AIスライドは、単なる「AIでスライドを自動生成するツール」ではありません。本質は、人が作ってきたスライドの“構成・トーン・設計思想”を、Gensparkに理解させて再利用する仕組みにあります。
多くのAIスライドツールは、「テーマを入力→構成・文章・デザインを即興で生成」という“一発生成型”です。
一方、Gensparkは「既存のスライド構成→情報の流れ→見出しの粒度→配色やレイアウト」といった スライドに内在するルールそのものを扱います。
この思想が、今回のPowerPointインポート機能によって、一気に実務レベルへ引き上げられました。
今回のアップデートで何が変わったのか
2025年12月のアップデートにより、Genspark AIスライドでは以下が可能になりました。
- 既存のPowerPoint(.pptx)を直接アップロード
- アップロードした資料を「テンプレート」として保存
- 以降のスライド生成時に、そのテンプレートを指定
- 構成・デザイン・トーンを保ったまま新規生成
重要なのは、単なるデザインテンプレートの流用ではない点です。
Gensparkは、スライドを「見た目」ではなく「構造化された情報設計」として理解します。
そのため、内容が変わっても
- スライドの流れ
- 情報量のバランス
- “その会社らしい”文章トーン
が自然に維持されます。
従来のスライド作成・AIスライドとの決定的な違い
従来のスライド生成系ツールは
- 過去資料を探してコピペ
- デザインや表現が人によってバラつく
- 「前と違う」とレビューで差し戻し
- 上手い人に作業が集中
などが課題でした。これらはすべて、再現性がないことに起因しています。今回のGenspark AIスライドのアップデートにより以下のような変化が生じました。
| 観点 | 従来 | 今回のGenspark |
| デザイン | 毎回作り直し | 既存PPTを踏襲 |
| トーン | 人依存 | テンプレートで固定 |
| 再現性 | 低い | 高い |
| 属人性 | 高い | 組織資産化 |
つまり、スライド作成が「センスの仕事」から「設計の仕事」へ移行するイメージです。
実際にやってみた
まずはいつもどおりGensparkを開き、TOP画面から「AIスライド」を選択します。

今までは、下部のデザインから完成イメージを探して選んでいましたが、今回は「マイテンプレートを追加」を選択します。

指示に従い、自分のpptxファイルを添付するとファイルを分析してくれます。(この操作は数分程度かかる場合があります)
もちろん、自分で作成したパワーポイントやGoogleスライドのファイルだけでなく、Canva等で作成したものをダウンロードして利用することも可能です。

分析が完了したら、「このテンプレートを使用」を選択してください。
テンプレートになってしまえば、いつものように欲しいスライドの内容を指示したり、DeepResearch等でまとめた内容を与えても良いですが、今回は全く別のスライドを与え、「test_slide.pptxの内容を、スライドテンプレートを利用して再生成してください。」と指示してみましょう。

今回以下のような3枚のスライドをtest_slide.pptxとして渡しました。

Genspark AIスライドが編集してくれたのは以下となります。


今回ページ数や構成など細かい指示をしていないため、Gensparkが再度考え構成しなおしているためページ数は増えていますが、内容は変わらずデザインを完全にテンプレートどおりに修正してくれました。
もちろん、このあとGensparkに構成などを指示して再生成させることも、Power PointやGoogleスライドにエクスポートして修正するのも自由自在です。
どんな業務が変わるのか
今回のアップデートが特に効果を発揮するのは、“同じ型の資料を何度も作る業務”です。例えば
- 営業提案書(業界別・顧客別)
- コンサル資料・報告書
- 研修・社内説明用スライド
- セミナー・ウェビナー資料
- 事業計画・社内向け説明資料
のような資料はこれまで、
- 構成を考える
- 過去資料を参考にする
- トーンを揃える
といった作業に時間が取られていましたが、「良い過去資料をGensparkに渡す」だけで済むようになります。
単なる時短ではない、本当の価値
このアップデートの価値は、「スライド作成が速くなること」ではありません。
本当の価値は、資料の品質が、組織として安定することにあります。
- 誰が作っても一定水準
- レビュー指摘が減る
- ブランド・トーンが崩れない
- ノウハウが暗黙知のまま消えない
これは、スライドが“成果物”から“業務インフラ”になったとも言えるのではないでしょうか。
まとめ
GensparkのPowerPointインポート機能は、「AIでスライドを作れるようになった」話ではありません。人が積み上げてきた資料の知見を、Gensparkが引き継ぎ、再生産する時代になったと捉えるべきでしょう。
少し踏み込むのであれば
- PowerPoint:UI
- Gensparkテンプレート:設計思想
- プロンプト:業務ルール
のように、スライド作成は「人が考える」工程ではなく、設計をGensparkに委ねる工程にになったとも捉えることもできます。
今回のアップデートは、その転換点として非常に象徴的です。スライド作成に課題を感じている方ほど、一度“良い過去資料”をGensparkに渡してみると、その意味がはっきり分かるはずです。
writer:宮﨑 佑太(生成AIアドバイザー)

