サンデーAI_2025.06.09|音声×資格で広がる生成AIの新市場

  • URLをコピーしました!

サンデーAI_2025.06.09|音声×資格で広がる生成AIの新市場

2025 年 6 月 9 日|発行:サンデーAI編集部

今週の生成AI NEWS
ChatGPT音声モード大刷新
富士通「People-AI Vision 2025」を公表
Gemini「Scheduled Actions」機能実装
Google、日本版生成AI資格を開始
ChatGPT記憶機能を無料ユーザーにも解放

今週も生成AI業界では多くの重要な発表や出来事がありました。この「サンデーAI」では、1週間の主要なニュースをダイジェストでお届けし、その中から特に注目すべき2つのトピックをピックアップ。専門家と共にその意義や影響を深掘りしていきます。


目次

今週のAIニュースダイジェスト(5件)

  1. ChatGPT音声モード大刷新
    概要
    6 月 7 日のリリースノートで、ChatGPT有料プランの「Advanced Voice」が全面アップデート。発話速度調整・割り込み質問・同時翻訳を実装し、モバイルではバックグラウンド動作も可能に。TechCrunchは「Siri越えの自然さ」と評した。techcrunch.com
    ここがミソ!
    タイピング不要の“ながらAI”が実用水準へ。ハンズフリー化はオフィス外業務やアクセシビリティを大幅に拡張し、音声×AI UXの主戦場が一気に広がる。
  2. 富士通「People-AI Vision 2025」を公表
    概要
    6 月 6 日、富士通は2030年視点でAIと人の協働を軸にした新ビジョンを発表。「ネットポジティブ」の創出を掲げ、業界横断型エコシステムで環境・福祉・経済を同時に伸ばすと宣言した。fujitsu.com
    ここがミソ!
    B2Bの雄が“AI×社会課題”を前面に出したことで、日本企業の生成AI投資が「効率→価値共創」へ舵を切る可能性。共創プラットフォームの実装に注目。
  3. Geminiアプリに「Scheduled Actions」機能
    概要
    GoogleはGeminiモバイルアプリで、時間や頻度を指定してAIタスクを自動実行できる「Scheduled Actions」を提供開始。メール要約や定例レポート送信をアプリ内で完結できる。blog.google
    ここがミソ!
    「聞く前に届く」能動型AIが現実に。Workspace連携で定期業務の自動化が容易になり、ノーコードRPA領域との競合・融合が進みそうだ。
  4. Google、日本語で生成AI資格を開始
    概要
    6 月 9 日、Googleはオンライン講座「Prompting Essentials」(日本語)を正式提供。生成AIへの指示法を10時間以内で学び、修了者にはGoogle認定証を発行。先着1万名は無償受講できる。travelvoice.jp
    ここがミソ!
    “Prompt力”が履歴書に載る時代へ。資格化は社内リスキリングの指標となり、人材市場でのAIスキル評価を加速させる。
  5. ChatGPT記憶機能を無料ユーザーにも解放
    概要
    6 月 3 日、OpenAIはMemory機能の軽量版を無料プランに段階ロールアウト。最近の会話を自動参照し、より文脈に沿った応答を返す。設定からオフにすることも可能。help.openai.com
    ここがミソ!
    “パーソナライズは有料”という壁が崩壊。大量ユーザーの実運用データが追加学習の宝庫となり、AIの継続利用率を高める狙いも透ける。

注目トピック解説

注目トピック 1:ChatGPT音声モードが拓く「ながらAI」新市場

【Image: スマートイヤフォンとChatGPTを使うビジネスパーソン】

OpenAIは“Advanced Voice”で、自然な抑揚・割り込みの柔軟さ・多言語翻訳という三つの壁を一挙に突破しました。車内・キッチン・ウェアラブルなど「手も目も使えない環境」でのAI活用が現実路線に入り、音声メディア×生成AIビジネスが再び脚光を浴びそうです。

専門家の見解

宮﨑 佑太(株式会社NEDLAB代表・生成AI活用アドバイザー)
「例えば営業職やカスタマーサクセスなど顧客接点のある職種でのロールプレイングだけでなく、全ての職種において作業をしながらChatGPTに別作業を行わせることが容易になりました。企業導入では音声ログの情報漏洩リスク管理と、電話・会議システムとの統合が鍵。早期にポリシーを定め、ユースケースを限定的に拡大させるのが現実解です。」

那須 康史(AI Lab+編集長)
「対話の連続性が滑らかになったことで、ユーザーは“AIと談笑しながら仕事を進める”体験を得ます。タスク指示が会話に溶け込む世界では、UIの主役が画面から声へシフトする可能性があります。」


注目トピック 2:Googleの生成AI資格が切り拓く“Prompt力”可視化時代

Google Cloudは 2025 年 5 月 14 日、「Generative AI Leader 認定資格」を全世界で提供開始しました。最大の特徴は、プログラミング経験を前提としない “ビジネス職向け” 初の生成AI公式資格 である点。受験料は 99 USD、所要 90 分。推奨学習パス(7〜8 時間)は 日本語を含む 8 言語 で無料公開され、NotebookLM や Gemini を使ったハンズオン演習付きですcloud.google.com

なぜ重要か

  • 履歴書に載せられる “Prompt力” 証明
    AI スキルを客観評価する指標が曖昧だったビジネス職に、Google が事実上の業界標準を提示。人材市場で “生成AI リテラシー” が TOEIC のような必須資格化へ向かう可能性が高まります。
  • 企業のリスキリング KPI として機能
    コース修了と資格取得が明確な教育ゴールとなり、社員育成プログラムの ROI を測定しやすい。受験料も低価格なため、大規模導入が容易です。
  • エコシステム戦略
    受講過程で NotebookLM/Gemini など Googleツールを体験させる構成。資格普及がそのまま Google AI製品の採用促進につながる巧みなエコシステム戦略と言えます。

専門家の見解

小野 晋(生成AIコンサルタント)
今この資格は取得者がまだ少なく、まさにブルーオーシャンです。社内外の会議で “Generative AI Leader” バッジを示せば生成AIプロジェクトの推進役に真っ先に指名される存在になれます。取得者が希少な最初の半年から一年が勝負どころで、早く動いた人ほど「生成AI担当の第一人者」としてのポジションを確立しやすく、それがそのまま役職・報酬・案件獲得のチャンスに直結します。しかも学習自体が NotebookLM や Gemini を実際に使うハンズオン形式なので、研修を進めながら自社業務に活かせる生成AI化のアイデアが次々に浮かび、そのまま PoC に踏み出せるはずです。今週中に学習パスを登録し来月の合格を目指せば、いち早くキャリア優位につながるでしょう。」


関連タグ

【週間ダイジェスト】【音声UI】【企業ビジョン】【自動化】【AI人材育成】

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェア
  • URLをコピーしました!
目次